まずはじめに
この記事は企業への就職を真剣に考え始めている高校生向けに書いています。
人生で始めての就職活動。分からないことだらけで不安な気持ちになっている方も多いのではないでしょうか。
高校生の就職活動は採用スケジュールが明確に決まっているので、
やるべきことを、やるべきタイミングで確実にこなしていくことが大切です。
このページでは高校生の皆さん向けに就職活動の流れをわかりやすく説明していきます。
高校生採用の現状
就職を真剣に考えている皆さんの中には
「自分のことを採用したいと思ってくれる企業、自分が働きたいと思える企業とめぐり合えるか不安・・・」
と考えている方も多いのではないでしょうか。
就職活動は初めての経験ですから、不安になるのも当然です。
このような漠然とした不安を解消するために、まずは日本の高校生採用の現状を一緒に確認してみましょう。
何やら難しそうなグラフが出てきましたね・・・。
求人倍率とは、有効求職者数に対する有効求人数の割合で、雇用動向を示す重要指標の一つです。
難しそうな言葉ですが、次のように考えれば分かりやすいと思います。
倍率が1.0以上:就職を希望する高校生の数よりも高校生を採用したい企業数の方が多く、内定を獲得しやすい
倍率が1.0以下:高校生を採用したい企業数よりも就職を希望する高校生の数が多く、内定を獲得しにくい
平成24年以降、高卒向けの求人倍率は右肩上がりの傾向にあるので、皆さんにとっては年々内定を獲得しやすい状態に変化しているといえます。このことを踏まえて、高校生の皆さんは前向きな気持ちで就職活動に取り組んでみましょう。
就職活動の年間スケジュール
高校生採用の現状が分かったところで、次に具体的な採用スケジュールを確認していきます。
毎年7月1日から高校生採用は本格的にスタートするのでこの日にちだけは必ず覚えておきましょう。
07月01日 職場見学開始・応募先企業の選定
7月1日以降、高校生採用を希望する企業から高校へ求人票が公開されて採用活動がスタートします。
また、入社後のミスマッチを防止する目的でこの時期から職場見学の受け入れも開始します。
職場見学は求人票だけではわからない職場の雰囲気や実際の業務内容を知ることが出来る大変貴重な機会です。
応募予定先の企業が受け入れを実施しているならば、申し込むことを強くお勧めします。
職場見学を何社か経験した後、各校で指定された進路希望調査提出日に進路希望を提出します。
各校が持つ推薦枠を見ながら高校側では誰をどの企業に推薦者として送り出すかを協議していきます。
09月05日 応募企業への推薦書類の提出開始(=解禁日)
9月5日以降、各高校から応募企業への推薦書類の提出が開始します。
この段階では、一人一社しか応募を行うことが出来ない点を覚えておきましょう。
この期間で無事内定を獲得できた場合、特別な事情がない限り学生から内定辞退を行うケースはほぼありません。
応募した企業からしっかりと内定を獲得できるように万全の対策を練ることが大切です。
09月16日 選考活動開始~内定獲得(前半戦)
各企業で一斉に選考活動および内定出しが開始されます。
推薦枠などを活用している場合は形式上面接を行って、その後すぐに内定がでる場合もあります。
この期間(前半戦)で内定を獲得できなかった学生は10月1日以降の後半戦に臨むことになります。
10月01日 選考活動開始~内定獲得(後半戦)
前半戦で進路が決まらなかった学生は10月1日以降別の企業への応募を開始します。
人気のある企業の場合、前半戦で応募を締め切っているケースもあるため選択肢は若干狭まる傾向にあります。
その代わり、この時期から一人二社まで応募が可能となるので気を取り直して前向きに取り組みましょう。
04月01日 入社・就労開始
無事に内定を獲得できた方は4月1日より新社会人として就労が開始します。
選考活動開始までにやっておきたいこと
就職活動全体の流れをお伝えしたところで次に選考活動開始までにやっておきたいことをお伝えします。
冒頭でもお伝えしたとおり、高校生の採用活動はスケジュールが明確に決まっているので、事前準備力が成否を決めると言っても過言ではありません。ここでは選考活動開始前にやっておくべきことを紹介するので、早め早めに準備を進めることを意識しましょう。
職場見学会への参加
7月1日以降、企業によっては職場見学会の受け入れを行っています。
主な目的としては先ほどもお伝えしたとおり、入社後のミスマッチを防ぐことにあります。応募を考えている企業が受け入れを行っているならば必ず参加するようにしましょう。職場見学は会社の雰囲気に慣れる絶好の機会なので応募を考えていない企業でも積極的に参加してみるとよいでしょう。
自己分析の実施
高校生の皆さんにとっては”自己分析”という言葉は聞きなれないかもしれません。
自己分析というのは一言で「自分自身を深く理解するための作業」と表現することが出来ます。
「自分はどんな人間なのか?」、「自分はどんな時に喜びを感じるのか?」、「逆にどんな時に怒りを感じるのか?」、「自分の長所は何なのか?」、「その長所は仕事のどんな場面で活かせそうか?」、「どんな仕事に誇りとやりがいを感じるのか?」
このような質問を投げかけてみることで自分という人間を深く知ることができ、あなたにぴったりな企業・仕事を探す手助けとなってくれます。自己分析を行うメリットは、面接の際の志望動機に説得力を持たせられるだけでなく、あなた自身の発言に一貫性を持たせやすくなるという点が挙げられます。
自己分析は自分1人で行うのではなく、保護者の方、学校の先生方、友人も巻き込んで行うことがポイントです。多くの人から意見をもらうことでより精度の高い自己分析を行うことが可能になります。
企業情報の収集
自己分析を実施したら次に企業情報を集めてみましょう。
まずは自己分析の結果に基づいてあなたに合いそうな業種・職種を探してみることをおすすめします。興味を持った業種・職種が見つかったら地元で実際に活動している企業がないか調べてみましょう。
調べる方法としては企業ホームページを見る、その企業の求人票を見るなど色々ありますが、最もおすすめの方法はその職場で実際に働いている先輩社員にお話を伺ってみることです。皆さんから直接お願いするのは難しいと思うので、まずは学校の先生に相談してみましょう。
このように情報収集を行いながら実際に応募する企業を絞り込んでいきましょう。
模擬面接の実施
実際に応募する企業が決まったら何度も模擬面接を実施しましょう。
模擬面接に関しても保護者の方、学校の先生方、友人の力を借りて実施することが好ましいです。面接は練習をすればするほど上達していくものなので、スムーズな受け答えが出来るようになるまで何度も粘り強く取り組んでみてください。どうしてもうまく受け答えが出来ない場合はもしかすると自己分析(=自分自身に対する理解)がまだまだ足りていない証拠かもしれません。もう一度自己分析をやり直してみることをおススメします。
さいごに
いかがだったでしょうか。
就職活動全体の流れと選考活動開始までにやっておくべきことは整理できましたか?
就職活動は長期戦なので、適度に息抜きもしながら取り組むことが大切です。
皆さんが本気で入社したいと思えるような企業と巡り会えることを心からお祈りしています。